2012年8月13日月曜日

オリンピック金メダル!

いつの間にかガーナからエジンバラへ帰ってきているヤマザキです。

さらにオリンピックが始まり、終わりかけていますが・・・最後の最後、NESTとして嬉しい結果が出ましたね!男子マラソンでウガンダのKiprotich選手が金メダルを獲得しました!!

こちら:http://www.bbc.co.uk/sport/olympics/2012/sports/athletics/events/mens-marathon

ウガンダとしては30年ぶりの金メダル獲得のようです。ケニア・エチオピアの選手が目立つ中、素晴らしい結果ですね!ウガンダの子どもたちも、スポーツに対して夢を持つことができることでしょう!!おめでとうございます!


yamazaki

2012年7月6日金曜日

ガーナに来ています

こんにちは、ヤマザキです。


先々週の日曜日から、自分の調査研究のためガーナに来ています。
調査研究、といっても実は初めて降り立った国。どんなところかわくわくしていました。
ガーナはアフリカ諸国の中では比較的治安が落ち着いていて、研究者からもNGO関係者からもビジネスマンからも「とっても良いところだ」と評判の高い国です。さてさて真相はどうだろう。


ガーナは今、雨期真っただ中です。飛行機から降りたときは大雨があがった後だったようで、湿気が高く、「やっぱり暑いのかな」と思いました。でも、日があけてみると涼しいこと。日中は陽射しが照ると気温があがるものの、ずいぶん過ごしやすい陽気です。半袖か、キャミソールやランニングシャツに薄手のシャツでも十分心地よく過ごせるくらい。
風が吹くと、日本の夏の夕方のような感じです。


滞在先は首都のアクラ。一番賑やかな "Oxford street"の近くにいるので、街の活発な様子は日々感じて取れます。でも、実は写真が取りにくい・・・ガーナの人たちはシャイなのか他の理由があるのか、写真を撮られることを極端に嫌う人が多いようなのです。街中には、おもしろいお店や素敵なファッションの女性たち、新旧入り混じった建物・・など、お伝えしたいものも多いのですが!同じところに何度か通って、仲良くなれた人がいたら、お願いしようと思います。


さて、ガーナの「良いところ」。それはまずやっぱり「人」にあります。こちらの人たち、みんな親切!先日も大きな道路を渡ろうとしながらもひっきりなしに走る車に立ち往生していたところ、隣にスッと現れた男性が手を挙げて車を止め、"you can go"と促してくれました。なんてことない一瞬かもしれませんが、そのスマートなこと。さらに、どこからどうみても「外国人」の自分に、そうした行動をさらりとやってのけてくれる親切心は、初めての土地を歩く自分にとって、とても心沁みる瞬間でした。ガーナではこうしたちょっとした優しさが、すごく多いように思う日々です。






yamazaki







2012年6月17日日曜日

スコットランドでアフリカ学会

お久しぶりです、NESTスタッフのヤマザキです。


以前の自己紹介でちらっと書きましたが、私は現在エジンバラ大学に留学しています。大学のプログラム自体は5月で終了したのですが、本所属の大学が夏休みである間はまだスコットランドに残ることにしています。


その間に得られるものたるや、とてもたくさん。とくに、Centre of African Studies(CAS)という研究科はヨーロッパ内でも非常にレベルの高いアフリカ地域研究機関なので、そこに出入りする研究者や学生と話すだけでも大きな刺激を受けることができます。


タンザニアのジュリウス・ニエレレ元大統領(1922-1999)の名前をご存知でしょうか。アフリカにおける「平等」を追求し、タンザニアの社会主義化を進めた初代大統領です。教育分野では、教授言語としてスワヒリ語を小学校から導入したことでも知られています。このニエレレはウガンダのマケレレ大学で学んだ後、エジンバラ大学へも留学しました。アフリカ地域とエジンバラ大学との結びつきを語るうえで欠かせない人物です。


その歴史あるCASが今月創立50周年を迎え、3日間にわたってAfrican Conferenceを開催しました。良い機会だったので、ボランティアとして参加させていただきました。カンファレンス(学会・会議)は、大きく分けて3つの柱がありました。一つは、Key note speech(基調講演)。二つ目は分科会。ここで、多くの研究者が最新の研究を発表し、お互いに意見を交換します。そして三つ目は懇親会。分科会の合間にあるCoffee breakや、2日目の夜に開かれる晩餐会で、さらに研究者同士の親睦を深めます。


分科会はDevelopment, Smuggling(密輸), Borderland(国境問題)など9つのテーマがあり、それぞれのテーマに4-5人の発表者がいました。それが3日間だったので、発表される研究は多岐にわたりました。この大テーマの中にはウガンダ地域に焦点をあてたものもあったのですが、残念なことにそちらは聴くことができませんでした。代わりに、教育分科会は参加してきました。そのときの発表題目はこちらです:


African Education, Training and Development in Historical Perspective
 - Education and Skills in Africa: Reviewing the post-colonial experience
 - Education and Intergenerational Poverty: New approaches beyond 2015
 - Owning the Policy; The appropriation of language-in-education policy in African communities

Learning for All in Eastern Africa?
 - Quality and Equality: The forgotten goals of Education for All
 - The impact of Primary Schooling on a Maasai Woman in Kenya: Tensions between modernity and tradition
 - Five Decades of Primary Education Development in Tanzania: Achievements, challenges and the future


2015年は、国際開発分野の課題解決を目標とする活動の一つの区切りの年です。このときに、開発がどの程度進んだのか、ということが評価されることになります。ただ、この年を迎えたとしても課題が残されることは明確です。その際に、国際社会はどうするべきかということが議論されました。

もちろん簡単に答えが出るものではありませんが、この議論の中では、こうした国際指標が議論される一方で見落とされがちな「現場で何が起きているのか、何が機能しているのか」という視点を重視すべきだということが注目されました。一見当然かもしれませんが、広大なアフリカ地域でミクロな研究を行うのは簡単なことではないでしょう。それでも、大きな国際指標の未達成を目の前にして、その重要性が再認識されたのでした。

NESTも小さな動きではありますが、奨学生とのやり取りから、学ぶ喜びや日常生活のちょっとした心配事などを知ることができます。「国際協力」という名でくくると見えにくくなってしまう部分もきちんと考えていきたいと思っています。



yamazaki


2012年2月9日木曜日

自転車

みなさん、自転車には普段乗っていますか??

今は移動手段としてだけではなく、「健康のため」「環境のため」などいろいろな理由で
利用している人が多いと思います。そんな自転車、アフリカでは命を救う手段にもなって
いるのです。


・・・と書くと、ちょっと大げさなようですが、あの広大なアフリカの地で「移動する」
ことは生活の中でも大きなこと。何もなければてくてくとおしゃべりをしながら歩くの
ですが、重い荷物をいくつも運んだり、急病人を助けるために連絡をしたり本人を病院に
連れて行ったり・・そうしたときに、距離が大きな問題になります。

そんな問題を解決しようと、ザンビアで立ち上がったのが、この自転車メーカー!
竹でできた自転車なのです。評判はいろいろですが、なんとこのたび日本にも上陸したとか!

乗り心地や装備、耐用性はどうなのでしょう。気になりますね!

■ZAMBIKES
http://www.zambikes.jp/


ところで、ウガンダでもやはり自転車の重要性は認識されていました。
ジョイセフというNGO団体は、ウガンダである女性の一言を聞いたところから、
自転車を送る活動を始めたといいます。保健医療サービスや啓発活動が中心だったのが、
「自転車一台で多くの人の命が助かる」という女性の訴えで、診療所への移動手段の確保も
活動の一つに加わったそうです。

■JOICEF
http://www.joicfp.or.jp/jp/recyclebicycle/ウガンダ/

私たちにとって身近な自転車も、アフリカでは様々な意味やバックグラウンドをもった
大事な道具として使われているのですね!



yamazaki





2012年1月27日金曜日

「リテラシー」から考える教育支援

Literacy : the ability to read and write [Oxford Dictionary]

リテラシー、という言葉をご存知でしょうか。
「読み書きできる能力」を指し、「識字」と訳されています。
(ただ、今は言語のみにとどまらず「コンピューターリテラシー」「メディアリテラシー」といった、ある分野に関する知識を持ち、活用できる力という意味合いで使われることもあります。)

識字問題は、「途上国」の教育について真っ先に挙げられる課題です。「識字率」、つまり「読み書きできる人が人口に対してどれくらいいるのか」という指標は研究や調査ではとてもよく使われています。

さて、その識字率。ウガンダは、現在73%*1です約3割の人たちは読んだり書いたりすることができません。割合だけで考えると、関東地方(栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉、神奈川、東京)のうち東京の人たちが全員読み書きできない、というイメージです(・・・伝わるでしょうか??)。

読み書きできないことの問題は、コミュニケーションの選択肢が狭まる以外に、「標識が読めない」「薬のラベルが読めない」といった生活に密着することも挙げられます。さらに、大人の読み書き問題は選挙権の行使、という政治的な課題にもつながります。実際、昨年7月に独立した南スーダンの住民投票には、賛成・反対それぞれのシンボルが作られ、そのどちらかに投票用紙を入れる、という方法がとられました*2。教育の問題が、日々の生活に複雑に絡まっていることは容易に想像できます。

これは途上国に限らず私たち自身も理解できることだと思います。たとえば英語を読んだり書いたりできなかったら、英語圏で生活することはかなり難しいでしょう。病気になったらきちんと病状を伝えられるかと考えると、簡単にできるとは思えません。。それで薬の飲み方を間違えてしまったら・・・なんて考えると不安です!

しかし、途上国では深刻です。自分たちの住む地域でこの状況が起きているのです。でもだからといって、「学校をつくればいい」「教科書を送ろう」といった教育課題への支援を最優先にすることだけで課題が全て解決するとは言えません。読み書きなんてできなくても生きていけるからいい、と思う人もいるかもしれません。でも、少なくとも、子どもでも大人でも教育を受ける機会が増えることで、生きるうえでの選択肢が増えることにつながっていくのではないかと思います。

選択することは人それぞれの自由です。でも、その選択肢が増え、自分で選べるという状況を作ること自体には意義があると思っています。教育支援するということは、単に「読み書きできたほうがいいから!」というのではなく、そこから広がる世界を共有する、という視点も含まれるのだと考えています。


yamazaki



*1 World Bank Database http://data.worldbank.org/country/uganda
*2 http://www.pko.go.jp/PKO_J/data/other/pdf/sudan2011/03.pdf

2012年1月18日水曜日

卒業しました!

今日、ウガンダ・グルのネットカフェから嬉しいメールと写真が届きました!




NESTの第1期奨学生、ナンシーが大学を卒業しました。

「ひとりの子どもを、できれば大学卒業まで見守る」という
NESTを設立したときの思いを、ナンシーは見事に受け取ってくれました。

お金がなくて高校に行けなかったナンシーですが
日本のみなさんの支援で、進学することができ、そのあともこつこつ勉強して
大学入学、そして卒業まで果たすことができました。

支援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

これからも、この家庭的な奨学金制度を続けていくつもりです。
大変な状況にある子どもたちの未来を一緒につくっていけたら、と思っています。


ナンシー、おめでとう!

sakuragi


2012年1月12日木曜日

ウガンダシンボル




ロンドンを旅行されたことのある方なら、トラファルガー広場 Trafalgar squareは
必ず訪れているのではないでしょうか。その近くにある海軍門 Admiralty Arch、こちらもバッキンガム宮殿 Backingam Palaceに続く道の入り口ということで、通ったことのある方は多いと思います。


その門の脇に、実はウガンダ高等弁務団事務所 Uganda High Commisionがあります。
(赤いバスが通り過ぎようとしている建物です。てっぺんにある3本の国旗、その一番右端がウガンダなのです)

なんて良いところに!


こちらがその入り口。




ウガンダ国旗の中央に描かれている鳥が堂々と掲げられています。
この鳥は、「カンムリヅル」。古くからこの地域で愛されていた鳥で、しかもどの王国のシンボルにもなったことがないという中立性から、1962年独立時の新しいシンボルとして選ばれたそうです。

NESTが活動の中心としているグルという地域には「アチョリ王国」の王様がいらっしゃいます。その王様も、このカンムリヅルを代々愛でてきたのでしょうか。

とても凛としたかっこいい鳥です。


yamazaki



info: http://www.abysse.co.jp/world/flag/africa/uganda.html


2012年1月8日日曜日

staff自己紹介

こんにちは、初めまして。

NESTスタッフの仲間入りをさせていただいている山崎瑛莉と申します。
ブログ更新を含め、活動に参加しておりますので、突然ではありますが
ご挨拶申し上げます!

現在、上智大学大学院教育学専攻の博士課程に所属しております。
研究内容はアフリカに関する開発教育・教育開発。
日本の教育でアフリカ各国についてどのように、何を学んだらよいのか?
ということと、アフリカの国々の教育の実態とは?ということを合わせて
研究しています。
現在はイギリス:スコットランドのエジンバラ大学に1年間の留学中です。

2009年にウガンダを訪れ、NEST活動の現地スタッフや奨学生ともお会い
してきました。やはり実際に話をするということはとても大切で、NEST
を通して何ができるかということを具体的に考えられるようになりました。

ここでは、NESTの活動報告はもちろん、アフリカに関する情報をざっく
ばらんに発信していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!


山崎瑛莉




2012年1月1日日曜日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

昨年は日本にとって厳しい1年となりました。
改めまして、東日本大震災を初め災害によって被害を受けた関係の皆様に
心よりお見舞い申し上げます。

そのような中でNESTの活動に対してのご支援も賜り、スタッフ一同、
そしてウガンダの奨学生一同、心より感謝しております。
ありがとうございました。

2012年、新たな年は多くの方々にとって喜びにあふれる1年となりますように。


NESTも気持ちを新たに活動してまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。



2012年1月
NESTスタッフ 拝